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シャンソン「聴かせてよ、愛の言葉を」から音楽家への志をもち、ジョセフィン・ベーカーのシャンソンが好きな武満 徹さんは、「日本的なものは全否定、三味線などは聴くのもいやだった」と言っていたことがあったそうです。

ある日の電車でのこと。
「調律された楽音のなかに騒音をもちこむことを着想した。」
1948年の頃のことです。

60年代に琵琶と尺八のための「エクリプス」、70年代には琵琶、尺八、オーケストラのための「ノヴェンバー・ステップス」が創作されたのですが、融合ではなく、あくまでも「異質」としています。

高橋悠治さんとの対談で「反発しながらそれに触れたい気持ちがある。」と語っています。

もともと武満さんの音は、「歪」の調和があります。
ピアノは「ド」であれは「ド」で答えてくれますが、琵琶や尺八は、ひとつの音の内に複数の音色を持つのです。

「騒音を持ち込むこと」
曖昧さを騒音と見立てると、琵琶や尺八が曖昧な日本文化を醸しだし、ゆるゆる煙る音色に、意味ありげな様子を伺えます。

wikipedia
代表作「ノヴェンバー・ステップス」をはじめ「エクリプス(蝕)」、「秋」、三面の琵琶のための「旅」などを書いているが、最初に琵琶を用いたのは映画「切腹」およびテレビ(NHK大河ドラマ)「源義経」であり、尺八は映画「暗殺」でプリペアド・ピアノやテープの変調技術とともに用いた。さらに映画「怪談」(監督:小林正樹)では、琵琶、尺八のほかに胡弓(日本のもの)、三味線、プリペアド・ピアノも、それぞれテープ変調と共に用いている。この「怪談」の音楽は、ヤニス・クセナキスがテープ音楽として絶賛した。これらの作品の録音において、琵琶の鶴田錦史、尺八の横山勝也との共同作業を繰り返した経験が、後の「ノヴェンバー・ステップス」その他に繋がっているのである。

さて琵琶の中村鶴城さんは、若い頃から「いつか初めてのリサイタルの時にはエクスリプスを演奏し、そのときには尺八は必ず横山勝也氏に。」と密かに心を決めていたというお話があります。そして、いよいよの初リサイタルは、その密かな心に決めていた願いが叶います。その中村さんの恩師鶴田錦史は、30年近くに渡ってノヴェンバー・ステップスを演奏してきた名器「朝嵐」を譲ります。その「朝嵐」での「日月の韻コンサート」の演奏会は大きな転機となったようです。武満徹氏から「」という名曲の琵琶のソリストとして選ばれたのです。

武満徹:琵琶、尺八、オーケストラのための「秋」
1.秋~琵琶,尺八,オーケストラのための
2.ア・ウエイ・ア・ローン2~弦楽オーケストラのための
3.ウォーター・ドリーミング~フルートとオーケストラのための
4.トゥイル・バイ・トワイライト~オーケストラのための


武満徹:エア,弦楽のためのレクイエム
1.エア(フルートのための)
2.系図~若い人たちのための音楽詩(語りとオーケストラのための)
3.エクリプス~蝕(琵琶と尺八のための)
4.ノヴェンバー・ステップス(琵琶・尺八とオーケストラのための)
5.弦楽のためのレクイエム(弦楽オーケストラのための)

秋庭歌一具
武満徹全集

現在開催中の「武満徹 ─ Visions in Time」展では、坂本龍一、千住明、武部聡志ら多方面のアーティストとのコラボレーションなどで活躍中の尺八奏者 藤原道山氏が「エクリプス」を演奏しました。

[藤原道山ホームページ]
http://columbia.jp/~dozan/
http://home.att.ne.jp/iota/dozan/toppage.html
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日本への近親憎悪
たいへん興味深く拝見しました。

< もともと武満さんの音は、「歪」の調和があります
 同感です。この歪とは、三味線でいう「さわり」と同義のものでしょう。、そうであれば日本的なものを激しく嫌悪していた武満の中にこそ、三味線,琵琶、尺八等に在る歪の調和、すなわち日本的なるものを希求する心性があった、ということになるのでしょうか。
そうであった、と今私は思っています。
とーし 2006/07/12(Wed)17:53:00 編集
とーしさん、はじめまして
とーしさん、はじめまして。徳川といいます。日本的なものは全否定しながらも、とーしさんのコメントにあるよう『日本的なるものを希求する心性があった』のですね。私の主人が若い頃に、たとえ「演歌」が好きであっても好きといってはならないのだと思う頃があったんです。あれはなぜと最近聞きましたところ、自分のスタイルに合わないからだと云っていたのですよ。でも希求する心性があったのです。いま、演歌、民謡などをよく聴いておりますのよ。(笑) なにか、自分はこうでありたいという武満は、その希求する心性抑える時期があり、そしてある時期、日本的なるものへ情熱が向いたのでしょう。日本人という民族である限り、やはり日本の文化を求める心は否めないのですね。

音楽は、いろいろなジャンルをお聞きになるのですか?最近シャンソンに興味がある年頃になりました。(笑)
徳川 2006/07/15(Sat)00:28:17 編集
追伸
とーしさんは、CD世代でしょうか。レコードの時代を知っている世代なのでしょうか?機会がありましたら、教えてくださいませ。
徳川 2006/07/15(Sat)00:30:58 編集
時代が時代なら、お殿様ですか
で、投函したあと(とはいわないですか)思いました。それは何も武満だけの事ではない,ノーノだって、クセナキスだって、リゲティだって同じ事。
彼らそれぞれにとっての「西洋」、が抱えていた歪、と強く対立し激しく衝突することで新しい音楽が創り出された、と。
それぞれが抱えるローカリティの問題だけではなく、近代という時代の問題が大きかったのでしょう。

おつれあいの気持ち、分かるような。数年前から導火線に火がついていて今年ついに爆発したのが、私のなかの美空ひばりです。大同小異で繰り返されるTVのひばり特番で、今年ついに見聞した「三味線マドロス」。跪きこうべを垂れるしかない表現力がそこにありました。「三味線弾けば」の歌詞では歌が三味線を弾き、「仲間が笑う」では歌が笑い、驚いた事には、「未練が溶けたよ」で歌が本当に溶けたのです。

音楽はビートルズ、シェーンベルク、インド音楽、アラビア音楽,読経、高石友也、西岡たかし、マイルス・ディビス、キース・ジャレットと節操なく好きですが、この10年ほどステレオを聴かなくなったので、脳内で鳴っているだけですが、よく忘れないで鳴り続けるものだと感心しています。

CDの時代になってからも音楽は聴いていたのですが、今と違って10年ほど前までの音質はアナログより格段に劣っていたので、アナログばかり聴いていました。世代的にはどうなるのでしょう、58年生まれですが。
とーし 2006/07/15(Sat)21:22:58 編集
無題
とーしさん
『脳内で鳴っているだけ』だけという感覚がわかります。フレーズが繰り返し聴こえてくる。よい表現をご存知ですね。感激しました。

とーしさんのコメントに、美空ひばりさんが登場しましたが、美空ひばりさんが亡くなった頃が、私の30代だったと思います。当時、美空ひばりさんのリサイタルがあり、「一度、”生”で聞いておかないといけないわね」と、友人が云っていたのです。その時は、またの機会にと申しましてね、行かなかったのです。

それからすぐに、お亡くなりになったわけです。
最近、そのときの友人の云っている意味がわかりました。日本人が誇りに思う人を知っておくべきだということなんですね。ミーハーというよりも、大衆が求めているものを再発見ですね。

とーしさんのコメントを読んで、コメントの力は凄いと感じております。読経もリズムがあります。音楽って演奏や歌だけではないですもんね。そして言葉も音楽なんですね。とーしさんのコメントには、伝えるリズムがあります。

昭和58年生れですか?お若い!
徳川 2006/07/18(Tue)21:08:01 編集
ハハハッ、違います
昭和58年生まれというと、・・・23才ですか。ウーン、その頃今程度の教養があれば、と思わなくもないですが。残念ながら1958年生まれです。美空ひばりの良さもさっぱり分かっていませんでした。
改めて考えてみると、その頃は、今とても大事な事柄、人物の数多くとまだ出会っていなかったですね。何が自分にとって大事なのか、手当たり次第食い散らかす、という手探りの時期でした。

そうそう、もっとも美空ひばりが充実していたのは、30代後半から40代にかけての時期と思われますので、もし聴かれるのでればその頃のものがおすすめです。
とーし 2006/07/21(Fri)14:23:44 編集
無題
とーしさん

1958年ですか!余裕綽々の年代ですねぇ。3つ下になります。1961年です、私は。主人が1940年代なんですよ。今年定年になります。

ひばりさんは、30代後半から40代にかけての時期なんですね。主人とともに聴いてみたいと思います。
徳川 2006/07/26(Wed)20:54:59 編集
切迫茫々
語調がやさしく、オネエサマァと思っていたのですが、私より年下なんですね。
余裕綽々どころではありません、切迫茫々という感じですよ。

美空ひばり、是非お聴きになって、感激がありますればブログにアップしてください。
私はTV以来さぼっておりますので。
とーし 2006/07/31(Mon)18:02:18 編集
とーしさん ご無沙汰してました
ご無沙汰しておりました。
>語調がやさしく、オネエサマァと思っていたのですが、私より年下なんですね。

身体の老化は、とーしさんより年上のようです。(笑)

ここ数ヶ月、四十肩に悩まされ、家事もままならない状態で過ごしてまいりました。

先週、チタンのネックレスを頂いて、気のせいか、おさまってきた気がして、久しぶりにパソコンを開きました。

入力をしただけで、肩から小指の先まで痛みがあった、”あの日”が嘘のようです。

とーしさんは、文面からも、活き活きとされて、お身体の故障もないようですね。

もう12月になりました。紅白歌合戦の大晦日にあわせ、美空ひばりさんの記事を書こうかなと思っております。
徳川 2006/12/01(Fri)19:05:00 編集
styles of ceramic wall tile
I make no doubt, no doubt did all on board previously to closing the coffin.
styles of ceramic wall tile URL 2007/01/07(Sun)03:22:15 編集
Hollie Rasmussen
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http://www.cnn.com/2000/US/08/31/military.readiness/

日々のこと
Sarah Weiss URL 2007/12/20(Thu)06:21:54 編集
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